その他
ご無沙汰しておりました。古井由吉フェアも終わらないが、なんだかひとつのテーマで本を読み続けるのが面白くなり、「各国別」というのはどうだろう? と思いついた。もちろんずっと前から主流は、「英語文学」あるいは「フランス語文学」という言語別のくく…
読書メータはじめました。http://book.akahoshitakuya.com/u/79251
みじかい出張があって、ほぼ10年ぶりにサンクト・ペテルブルクを訪れた。10年後に、これまで訪れていなかった同じ街へ行くというのは、意外にめずらしい体験なのではないだろうか? ペテルブルクは、案の定かわってはいたけれど、モスクワのような狂騒感はな…
文学が今後隆盛をとりもどすかどうか、まったくわからないけれど、一人の文学畑出身者として思うことは、「茶のみ話」としての文学を開発したい、ということだ。つまりは私のような30前後の男たちが集まると、茶のみ話(と、いうよりは居酒屋トーク)として…
私はいわば外側の喧騒につりあうだけの喧騒をうちに宿していたのである。(古井由吉「先導獣の話」) このブログをはじめたころの生活はといえば、片道1時間の通勤時間がある東京のサラリーマン生活で、連続して地下鉄に乗っている時間が30分はあるから、本…
ご無沙汰しております。日本に一時帰国したり、その前はモスクワが38度の酷暑で、さらには森林泥炭火災の一酸化炭素中毒なども加わり、まったく書けずにおりました。日本ではけっこう本を読んだので、恒例のダイジェスト版でお送りします。 帰国途上の飛行機…
唐突だが、iTunesのおおきな機能は「貯める」ということにあるのではないだろうか? 私はかならずしもアップルの信奉者ではないし、どちらかと言えば日本製品を買わなくては、と思うほうで、実際最初に買ったメモリーオーディオはTOSHIBAのものだった。ただ…
アメリカとかフランスで日本のマンガが受けている、というのはよく聞く話なのだが、さてロシアではどうか、という話になると、英語から重訳されたらしきポケモンやセーラームーンがむかし流行っていたものの、今はそんなに有名ではない、というのが公式回答…
のっけから宣言すれば、プロの書評家ではないので、このブログを書くときに、紹介する本の文体を無意識にマネしてしまっていることは自覚しているけれど、直すつもりはない。でも、さすがに前の村上春樹の項を書いたとき、自分が書いた文章と、その下に引用…
3月は出張に明け暮れ、さらに4月はモスクワで残った業務の処理に明け暮れ、いつの間にやらこの国ですら春になってしまった。この2箇月くらい、飛行機の中で少しばかりの本を読んだだけだが、少しでも更新しておこう。 ロンドンでは、カズオ・イシグロ『遠い…
さて、このブログではじめての雑感、になるが、先日ロシアでは4連休があったので、ロンドンを訪れた。(なお、4日も休むとそのあと地獄を見ることになるが、それは別の話である)。イギリス文化というものが、日本人の私に、子供のころから(童話とかシャー…
最近こればっかになってきましたが、またしてもダイジェスト版で更新します。 年末年始に日本に帰国して、横山秀夫『クライマーズ・ハイ』を機中で読んだ。そう、日航機墜落事故の話であることを知らなかったのだ。しかも乗っていたのは、日航機よりもずっと…
さて、仕事がどんどん忙しくなってまいりまして、また日本にも5日くらいですが帰っていたもので、書けずにおります。ほんの僅かですが、ここに書いた以外にも読んでいるので、まとめて紹介させてもらいます。 異国に暮らす者として、捨て置けないのは黒田龍…
さて、前にも書いたかも知れませんが、五月末から海外駐在となっております。休みの日など、他にすることがないもので、本はけっこう読んでいるのですが、なかなか落ち着いて感想文をしたためる機会もありません。結果、赴任後6回しか更新していない有様です…
もう10日くらい前なのですが、内田樹の『街場の現代思想』を読みました。だから内容はもうほとんど忘れているのですが、模擬人生相談形式で、仕事について、結婚について、大学について、なやましいことの数々を非常に常識的にこたえる本であったと思いま…
アレクサンドル・ブロークとアンドレイ・ベールイは、隣りあわせに住みながら書簡を交わしていたと言います。ですから僕が、架空のあなたに手紙を書く形でブログするのも、赦されていいことのように思います。なぜ架空のあなたに書くかと言えば、『デトロイ…
倉田さんというのは、アニメの脚本とかライトノベルとかを書いている人らしいのだが、どちらにも興味がない私にとっては縁が薄い。(余談だが、中学生くらいから、アニメのなにかと線の細い感じが気持ち悪くなって、全然見なくなってしまった。大好きな「グ…
「おかしな世界」とはアメリカのことである。「殺人」を趣味として楽しんでしまう柳下氏は、殺人に国民性を見る傾向があるらしい。第三章ではアメリカの「おバカ」が語られるが、犯罪を抑止するための犯罪博物館を作っているのに、犯罪マニアの心をくすぐら…
アメリカ人なら誰でも「リジー・ボーデン斧とって」の歌は知っている。だが、実際にリジーが何をしたかと問われたらたいていは口ごもるだろう(いわんや日本人をや)。ましてや彼女の出身地となると。だが、町の方は覚えている。(21ページ) 本田透の著作を…