21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

落合福嗣『フクシ伝説』

そうよ、パパ、言ってやれ! 「うちの女房は確かにブスだ」って!!(142ページ) だらけるとだらけきるもので、夏休みの後半は完全に「毎日更新」を無視していた今日この頃ですが、みなさまはいかがお過ごしですか? 今日から仕事に復帰したので、また更新…

平山夢明・児嶋都『非道徳教養講座』

三日も休んでしまいました。。。会社も休みやのに。。。 さて、三島由紀夫を思わせるタイトルの、何をねらったのかはイマイチ分かりにくい本なのだが、書いてあることは非常にマトモ。「上司はあなたのことをブックオフに本を売りにいくときに使う丈夫なトー…

岩井志麻子『チャイ・コイ』

最近、読んで文句言うなら読むな、という本ばかり読んでいる気がしなくもないですが。 解説、渡辺淳一。もうそれで分かってもらうしかない。解説、渡辺淳一。岩井志麻子なのに。解説、渡辺淳一。いや、岩井志麻子だから? 解説、渡辺淳一。というか、渡辺淳…

吉田修一『あの空の下で』

機内誌に連載、という条件下で、これだけのクオリティーの作品を納品できれば上出来、という気がしなくもないが、明らかに最近の吉田修一作品は印象が薄い。そもそも人物の印象が残っている作品って、「最後の息子」のシリーズと、『東京湾景』くらいではな…

垣根涼介『ギャングスター・レッスン』

さて、日本に戻って参りました。いきなり阪神・ヤクルト戦を観に行き、ヤクルトが勝って大変うれしかった訳ですが、まあ記事は飛行機の中で読んでいた本の話で。 子供のころ、「大長編ドラえもん」では、冒険がはじまる前の、みんなで道具で遊んでいる場面が…

雑感、というか、場つなぎ

明日、更新休みます。と、いう更新もどうかと思うが、明日から日本に一時帰国するので、明日は更新できません。しかし、今週は忙しいなあ。

村上龍『半島を出よ』 introduction1 2011年3月3日 見逃された兆候

ずっとずっとずっとずっとアメリカに尻尾を振り続け忠犬として尽くしてきたのに、餌をもらえないどころかバシバシ棒で打たれるような仕打ちを受けたと、多くの国民がそう感じたのだ。だから、嫌い、というだけじゃなくて、憎むようになった。同時に前々から…

雑感

今日は出張者対応後でしんどいので、一回休みます。これは更新したことになるんかいな?

佐藤彰一・池上俊一『世界の歴史10 西ヨーロッパ世界の形成』 5

また学生時代の話で恐縮だが、文学部で、偏見なくいろんな小説を幅広く読んでいる人は、どちらかというと歴史専攻の人に多かった気がする。私を含め、そもそも文学を「研究」しようなどという、きわめて文学的でない行為に走っている人よりも、ずっと文学に…

木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』

私ごときの体験を、木村榮一のような大学者に擬して考えることはたいへん失礼な話だが、外国文学を読みこめば読みこむほど、「普通」の感想しか出てこなくなるのではないだろうか。日本語で読み、あくまで日本人の感覚で作品を処理しているときこそ、妄言・…

小松左京『日本沈没』 第五章「沈み行く国」

憲法改正騒ぎがあった。世界SF大会が日本で開催された。消費税があがった。狂牛病がアメリカでようやく深刻な問題になった。ベネズエラが侵攻されて、自由世界を脅かす諸悪の根源にされた。小学生が幼稚園児を殺した。銀行の数がまた減った。アニメとゲーム…

雑感

最近、『日本沈没』全章レヴューみたいになってきたので、ちょっとひと休み。ブログ毎日更新、は案外できているんですが、問題は書くのに時間が取られて本を読む時間が減ってしまうことだな。

小松左京『日本沈没』 第三章「政府」

まして戦後の三十余年間、日本の、とくに大都会の人びとは、巨大な災害に対して、瞬時に身を処するマナー――戦前までに、大火や地震や水害などの数百年間を通じて形成されてきた「災害文化」ともいうべきものをきれいに失ってしまっていた。まさかの時、自分…

今月読んだ捨ておけぬ三冊(7月編)

今月は、それなりに量は読んだんですけど、どちらかというと軽めのものに偏ってますよね。やっぱり日本から本が届いたことが大きいのか。テッド・チャン『あなたの人生の物語』(浅倉久志他訳) 単独では「顔の美醜について」を取りあげたわけだが、どれをと…

小松左京『日本沈没』 第二章「東京」

「マイホーム」化した社会の中では、主役の座は女性によってうばわれつつあり、男はいつまでも、家庭の中で過保護状態で育てられた子供のように、ひよわでいつまでたっても幼児的であり、あるいは女性化するのは当然である。このままでは、男はますます小ア…

7月の読書メーター

7月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:4913ページナイス数:0ナイス玩具修理者 (角川ホラー文庫)読了日:07月31日 著者:小林 泰三虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)読了日:07月30日 著者:アルフレッド・ベスターフリー~〈無料〉からお…

小松左京『日本沈没』 第一章「日本海溝」

だが今回の場合は、何か異様だった。一つ一つの分野で見ればいかにも毎年くりかえされる、自然災害との闘いのバリエーションにすぎないようだったが、その影響のあらわれはじめた分野すべてを合わせて遠望してみると、そこに嵌絵のように、何か不気味なもの…