21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

大庭みな子「寂兮寥兮(かたちもなく)」一

「明かるい雪の畦道を野辺送りの行列が通って行った。あたり一面銀世界で、田の水だけが黒かった。乳色の柔らかな雲の間から、陽が洩れ、ときどき思い出したように白い雪の花びらが舞い落ちた。 四人の若い男が花嫁の輿をかつぐ晴れやかな顔で、柄のついた板…

反省

最近、じぶんの文章をまったく読み返していなかったが、気持ちわるくなるくらい誤字が多いことに気付いた。そんなわけで、3月以降の文章を修正しました。反省し、徐々に直していこうと思います。

雑感

いま33で、もうすぐ34歳になるのですが、最近になってやっと、世界が立体でできていることに気付いたような気がします。

馳星周『沈黙の森』

「カモシカでもいるのか?」 田口は疾風の視線の先を追った。樹木を鎧代わりにした山が風雪に抗っている。空は絶え間なく降り続ける雪に塗り潰されていたが、山はまだ闇の底に沈んだままだ。枝擦れの音が苦悶の声のようだった。 田口が歩を進めると、疾風は…

今月読んだ捨ておけぬ3冊(3月編)

スタニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』(芝田文乃ほか訳、国書刊行会) ウィリアム・ギブスン、ブルース・スターリング『ディファレンス・エンジン』(黒丸尚訳、ハヤカワ文庫SF) 津原泰水『バレエ・メカニック』(ハヤカワ文庫JA) 番外 『諏訪敦絵…

3月の読書メーター

3月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:3348ページナイス数:0ナイス朝鮮近代史 (平凡社ライブラリー (267))読了日:03月31日 著者:姜 在彦高い城・文学エッセイ (スタニスワフ・レム コレクション)読了日:03月31日 著者:スタニスワフ レム…