21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ミステリをたくさん読む(4月)

特に行くところもやることもなく、平成最後のGWを過ごしている。本を読む時間はふんだんにあるので、ずっと積読だったナボコフの『賜物』でも読んでみようかと思っているが、まだ手をつけないまま、読みかけのミステリと現代小説をパラパラ。 今月は6冊。半…

笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』

なにが平成だ、随分言ってくれる、と思いつつもどうでもいいやという感じでつい聞き流してしまう。だって嫌だったら断ってしまえばいいのである。どうせ何の覚えもない相手なのだから。(15ページ) 「タイムスリップ・コンビナート」の初出は1994年、つまり…

福永武彦『草の花』

僕は夢中になって生きていたし、世界というのはそういうもの、憎悪も残酷も無慈悲もなくて、愛されあれば足りるものと、そう思っていたんだ。今は違う、今は、僕の世界と外部の現実とはまったく別のものだということが、僕にははっきり分かっている。僕達は…