21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

雑感

今日はワタクシの誕生日なのですが、なぜだか昨日から、どうして本は直方体の三辺のうち、いちばん短い辺(つまりは奥行の部分)が延長されることをもって「長い」というのだろう? ということが気にかかっています。たとえ京極夏彦やコロコロコミックであっ…

Ap.グリゴーリエフ 「エリザベータへ(E.S.R)」 (1842)

ああ、ぼくは知っている、きみと ぼくはたましいで結びついているということを。 永遠と、ぼくのそのあいだに うかびあがってくるのはきみの姿だ。 そして天上でぼくは もういちど魅せられてしまうのだろう、 わが全身をあのひとのおもかげに捉われて、 わが…

デザインが変わりました

突然、というわけではないのだけれど、学生時代にあそびでやっていたロシア詩の翻訳をまたやりたくなった。ところが、いざやってみたらブログの書式にすごくはまりが悪かった。と、いうわけで、思い切ってデザインを変えてみた。 気にする人がいるのかどうか…

堀江敏幸『ゼラニウム』 「アメリカの晩餐」

簡単な挨拶と自己紹介を棲ませて招き入れられたアパルトマンは、サングラスのプロデューサーが一ヵ月前に購入したばかりで、窓がすべて通りに面したに二十畳敷きくらいの大部屋の連なる豪奢なつくりだったが、まだ内装が済んでおらず、壁という壁の装飾がは…

K.イシグロ『充たされざる者』

だけどあとどれだけ、こんなふうに人のためにしてあげられるっていうの? あたしたちにとっては、つまりあたしとあなたとボリスにとっては、あっという間に時間が過ぎていくのよ。あなたが気づきもしないうちに、ボリスは大人になってるでしょう。あなたにこ…

S.レム『ソラリス』 「会話」

「脳電図は完全な記録だ。無意識のプロセスもすべて含まれる。もしも彼女に消えてほしいと思っていたなら、彼女は死んでいたのだろうか。(263ページ) ひと月ほども前に、「この項続く」と書いた以上、続かないといけないような気がする。「SFは責任感が強…

4月の読書メータ

2011年4月の読書メーター 読んだ本の数:18冊 読んだページ数:6325ページ■粘膜兄弟 (角川ホラー文庫) 読了日:04月29日 著者:飴村 行 http://book.akahoshitakuya.com/b/4043913036■蠅の王 (新潮文庫) 読了日:04月28日 著者:ウィリアム・ゴールディング …

今月読んだ捨ておけぬ三冊(4月編)

「臍のない男がいまも私の中に棲んでいる」と、サー・トマス・ブラウンは奇怪な一行を書きつけているが、その意味するところは、アダムの末裔なるが故に、彼は罪のうちに孕まれた存在であるということなのだ。(ボルヘス『続審問』) 「読書メーター」のまと…