21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2010-09-28から1日間の記事一覧

ダイジェスト版

私はいわば外側の喧騒につりあうだけの喧騒をうちに宿していたのである。(古井由吉「先導獣の話」) このブログをはじめたころの生活はといえば、片道1時間の通勤時間がある東京のサラリーマン生活で、連続して地下鉄に乗っている時間が30分はあるから、本…

M.ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』 2「ポンティウス・ピラト」

そこで彼は、沈黙している町の上に《R》の音を転がすようにして叫んだ。 「バラバ!」 この瞬間、すさまじい音響とともに太陽が頭上で炸裂し、耳に炎を流しこんだようにピラトには思われた。その炎につつまれて、咆哮、金切声、呻き、哄笑、口笛が荒れ狂った…