21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

ミステリをたくさん読む(20年4月)

前回で目標の100冊を達成したので、全体ランキングを毎回載せるのは止めておく。関心のある方は、読書メーターの本棚に上げてあるのでご覧いただければ。

bookmeter.com

 さて、Covid-19対策の自粛が続く現在。外に出ないので本は大量に読めており、精神的には快調だ、と言いたいところだが、Sportifyでぼくのりりっくのぼうよみモリッシーだけ集めたプレイリスト作ってしまうくらいには病んでいる。

 4月は6冊。今月はそこそこハズレ引いた月だった。

 

結城昌治『刑事』(集英社文庫)★★★★★

大藪春彦野獣死すべし』(新潮文庫)★★★★☆

ピエール・ルメートル『悲しみのイレーヌ』(橘明美訳、文春文庫)★★★★☆

アガサ・クリスティー『クリスマス・プディングの冒険』(橋本福夫他訳、ハヤカワ文庫)★★★☆

西村寿行『去りなんいざ狂人の国を』(角川文庫)★★

R.D.  ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』(創元推理文庫)★★

 

 結城昌治の短篇集は全体のレベルが大変高く、横山秀夫の短篇を彷彿とさせた。『野獣死すべし』はほぼ奇書のレベルだが、ほとんど会話文のない中篇版は実験文学としても評価されて良い。読者の関心を惹きつけるルメートルの技術は、じっくり研究してみたいが、この本に関しては、ちょっとフラグが立ちすぎていてきつい感じはする。

 今ひとつだったのは、「クリスマス・プディング」以外のクリスティーの短篇と、途中から急カーブで質が落ちる西村寿行。加えて『フロスト』に関しては期待して読んだだけに、面白さがよくわからず悲しかった。