21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

倉田英之『倉本 倉田の蔵出し』 第四章

 倉田さんというのは、アニメの脚本とかライトノベルとかを書いている人らしいのだが、どちらにも興味がない私にとっては縁が薄い。(余談だが、中学生くらいから、アニメのなにかと線の細い感じが気持ち悪くなって、全然見なくなってしまった。大好きな「グラップラー刃牙」がアニメ化されたときは、2話くらい見たが、これはこれで別の意味で気持ち悪かったので、見なくなってしまった。アニメが好きな人ごめんなさい)。しかし、本田透先生の本を読んでいて、とかくDVDと本を買うことに命をかけている人であることを知り、興味を持ってこの本を読んだら、とかく痛快だった。DVD買ってて職質されるとか、格好良すぎです。

部屋を整理するには、一度移動した荷物を置いておく余剰スペースが必要なのですが、五年以上、倉庫番のように隙間という隙間にDVDや本を突っ込み、マチュ・ピチュの遺跡のように「カミソリ一枚はいりません」と完成された私の部屋には、とてもそんな空間はありません。すべてはDVDに対する愛から始まった生活が、愛ゆえに、二人(俺とDVD)ともどんどん不幸になるというATG映画のカップルか聖帝サウザーのような因果な暮らしに。(211-212ページ)

 よくよく考えると、この本は中村うさぎ(読んだことないが)のごとく、自分の浪費グセを面白おかしく書いて、さらに浪費の原資を稼ぐ、という方法なのだが、「ブラック・レイン」を観て松田優作演じる「佐藤」の髪型にしようとした、という人の本だと読んで元気になってしまう。(ちなみに「佐藤」は頭の両サイドを不思議なほどにかりあげている。)
 そんなわけで、この三連休は私も本を12冊ほど買い漁っておりました。ここを長くお読みの方はわかると思いますが、だいたい私のいまの読書量は、月に5〜10冊なので、もう3か月ほど何も買わなくても良いはずですが……普段、「何買った」とか、「何食べた」とか普通のブログっぽいこと書かないので、たまにはひとつ。

エイミー・ベンダー『燃えるスカートの少女』、倉田英之『倉本』、イアン・マキューアン『贖罪』上・下、松本修探偵!ナイトスクープ アホの遺伝子』虎の巻・龍の巻、井坂幸太郎『重力ピエロ』、『ハローバイバイ関暁夫の都市伝説』、鴻巣友季子『孕むことば』、蓮實重彦『映画狂人語る』、『ファビュラス・パーカー・ボーイズの映画欠席裁判3』、D.コープランドほか『モテる技術』……なんか、よりにもよってロクでもない本ばかり買っていますね。

(『倉本 倉田の蔵出し』 アスキー・メディアワークス