21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

マイケル・サンデル『これからの正義の話をしよう』 第9章

たいへん面白く読了したのだが、非常にわかりやす過ぎて、これでハーバード大の「政治哲学」の単位がもらえるというのは一種の「ゆとり」ではないかと思ってしまう。やはり、未来のアメリカの指導者達には、「来週までに『実践理性批判』読み通して来いやぁ…

マイケル・サンデル『これからの正義の話をしよう』 第5章

カントは、政治家を信頼する人がいなくなるよりは、政治家の否定の言葉が一言一言吟味されるような状況のほうがましだと言っているわけではない。それは結果主義的な議論だ。カントが言いたいのは、誤解は招いても嘘ではない言葉は、真っ赤な嘘のように聞き…

石黒達昌『冬至草』 「希望ホヤ」

梢の間に見える湖にはうっすらと霧が流れていて、水面から鋭く突き出た枯れ木は死にながら朽ちずに存在していた。夢中で斜面をさまよい歩くうち、地衣類が独特の斑紋を描いている樹木はどれ一つとして同じではないのに、踏み跡程度の道を外して迷い込んでし…

Zemfira "Dokazanno"

まっしぐらに導線をつたって 列車はママのところへやってくる でも私はおうちに帰りたくて 自分でも分からないんだけど なんでだろう? まんまるなオレンジがいらついて これ以上、燃えられないとか悩んでる だから私はデッキに火をつけて サンバを踊ってい…

6月の読書メーター

6月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:3221ページナイス数:7ナイスオーディション (幻冬舎文庫)人物造形としての一貫性はないが、吉川がいるから作品として救われていると思う。とくに、青山が勝手な想像をして電話をかけたときに、彼のとこ…