21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

G.オーウェル『一九八四年』 第一部

寡頭政治の本質は、父から息子への継承にあるのではなく、生者が死者に課すある種の世界観、ある種の生き方を持続させることにあるのだ。(第二部9) いま、私が働いている支社には日本人が私しかいないのだが、ロシア人たちはずるいもので、本社や他の支社…

私のイギリス文学ベスト10(使用前)

ご無沙汰しておりました。古井由吉フェアも終わらないが、なんだかひとつのテーマで本を読み続けるのが面白くなり、「各国別」というのはどうだろう? と思いついた。もちろんずっと前から主流は、「英語文学」あるいは「フランス語文学」という言語別のくく…

古井由吉『辻』 「草原」

あなたが殺したのではないの、と言った。 理由を話しましょうか、と爪の先をさらに肉に喰いこませながら、後を継がなかった。(100ページ) 辻、がなにを意味するのかを読み解くことは、この作品集を読む上でべつに重要なことではないと思う。しかしながら、…

今月読んだ捨ておけぬ三冊(11月編)

なんだかモスクワの11月というのは、ほんとうに厭な月で、毎回、鬱になることこの上ないのですが、それでも色々本は読んだようで。また、時間はないくせに、フランス語の勉強をしてみようとか、ロシア語で本を読んでみようとか、試してはみているのですが、…