21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

K.イシグロ『忘れられた巨人』 第九〜十四章

わたしが見てほしいところ、まだ見てくれていないんじゃないかしら、アクセル。(第十三章) 第三部、第九章と十四章は「ガウェインの追憶」と題されていて、ここだけ一人称の語りになっている。そして、アングロ人とサクソン人の間には、血で血を洗う戦いが…

K.イシグロ『忘れられた巨人』 第六〜八章

ネットで英語の書評をいくつか読んでみたのだけれど、この作品を「失敗作」と見る向きも結構あるようですね。正直なところ、一読しての私の感想も、すげー読みにくい上に、結論がけっこう安易じゃね?というところ。それが実態として正しい感想なのか、それ…

K.イシグロ『忘れられた巨人』 第二〜五章

前回の記事を読みなおしてみると、「マル1」とか「マル2」とか書いた部分が全部文字化けしておりました。いや、環境依存文字なのは知ってるけど、日本語のブログだから大丈夫かな、と思ってたのが、そうでもないんですね。・・・・・・聞いてくれているの、…

K.イシグロ『忘れられた巨人』 第一章

理由はよく分からないのですが、オフィスが停電するということで、久方ぶりの定時帰宅。ああ、欧州の初夏、夕べはこれほどに長いのですね。長らく私は季節の感覚をなくしておりました。神、もしくはビルメンの人に感謝を捧げながら、せっかく得た時間をブロ…

M.プルースト『失われた時を求めて』 「スワン家のほうへ」(2)

ブログを書こうと決意すると、何らかのバチでも当たるのか、前回の更新をしてから日付を跨がないと家に帰れないような日々が続いていました。それで、ゴールデンウィークは、人生の一大イベントをやったりしていたもので、何と1か月で数十ページしか読み進ん…