21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

W.フォークナー『響きと怒り』 一九一〇年六月二日

なぜなら彼が思い出すことができるのは姉の記憶ではなく、姉を失った記憶であり、日の明かりは眠りにつくときと同じ明るい模様だったし、草地は以前よりも売られてからのほうが彼にとってずっとよかったからだ。(付録―コンプソン一族) 『響きと怒り』のふ…

大庭みな子『むかし女がいた』 1

「もちろん、わたしにもさまざまな空想をする自由だけはあるわけだから、そのことだけはこの髪の持主に言っておいて下さい。たとえば、鎌首を持ち上げる蛇の頸に鋲を打って、ミイラにするとか――」(4) 母は死ぬまでの一箇月間、ベッドの横に大庭みな子さん…

あ、

下の記事に「春の物語」と書いてしまったが、『むかし女がいた』の第一話は、黄金の麦の穂が稔る季節なのだから、当然、秋の話だった。

今月読んだ捨ておけぬ三冊(5月編)

God grant me the serenity to accept the things I cannot change, courage to change the things I can, and wisdom always to tell the difference. (「神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を受けいれる落ち着きと、変えることのできる物事を…

5月の読書メータ

5月の読書メーター読んだ本の数:21冊読んだページ数:7532ページめぐらし屋 (新潮文庫)読了日:05月31日 著者:堀江 敏幸ヒートアイランド (文春文庫)読了日:05月29日 著者:垣根 涼介一階でも二階でもない夜 - 回送電車II (中公文庫)読了日:05月28日 著…