21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

S.レム『ソラリス』 「ソラリス学者たち」

――自分が相手にしているのは、確かに知的な、ひょっとしたら天才的な構築物の断片なのかもしれないが、そこには狂気すれすれの、手のつけられない愚かさの産物が支離滅裂に混ざっている。そのため、「ヨガ行者の海」という概念に対するアンチテーゼとして、…

飛浩隆『グラン・ヴァカンス』

「決めろ。『しかたがない』ことなど、なにひとつない。選べばいい。選びとればいい。だれもがそうしているんだ。ひとりの例外もなく、いつも、ただ自分ひとりで、決めている。分岐を選んでいる。他の可能性を切り捨てている。泣きべそをかきながらな」(第…

今月読んだ捨ておけぬ三冊(12〜3月篇)

そして未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりまさりつつあるのだ。人間精神が、その環境に徐々に環境に働きかけ、両手で、器械で、かんで、科学と技術で、新しい、よりよい世界を築いていくのだ。 (ロバート・A・…

その他

やはり、全ての面において想像力が貧弱だった、と言わざるを得ないのではないかと思う。「電気自動車はエコ」って、それは「原発がクリーン」前提の話ですよね?、くらいのことは思っていたけれど、実際に原子力発電所が事故を起こすなどということは考えな…