21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

F.ドストエフスキー『白痴』 第三部

「ああ、ばかなこと言って! 必ずお買いなさい。質のよい、フランス製かイギリス製のをね。その二つが最高級だそうよ。それから火薬を、裁縫用の指キャップに一杯分か、それとも二杯分、流しこむのよ。どうせなら多めがいいでしょう。それからフェルトを詰め…

鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』

自己同一性の免疫力が低下しているからこそ、じぶんではないもの、異質なものを一種のウイルスとしてとらえ、身体の内部あるいは表面から、身体をとりまく環境から、そういう遺物を徹底的に排除していこうとすると思われるからである。(2「じぶんの内とじぶ…

中野渡進『ハマの裏番 もつ鍋屋になる』

ちなみに野球界をコンビニに例えれば巨人・阪神は弁当、中日はドリンク、ヤクルトは雑誌、広島はフリスク、ベイスターズはホチキスの芯ぐらいだろう。(第一章「口は災い・・・・・・突然の『戦力外通告』) この本はけっこう泣ける。いや、俺が弱っているだ…

J.ボードリヤール『シュミラークルとシュミレーション』 1章「シュミラークルの先行」

領土が地図に先行するのでも、従うのでもない。今後、地図こそ領土に先行するーーシュミラークルの先行ーー地図そのものが領土を生み出すのであり、仮に、あえて先のおとぎ話の続きを語るなら、いま広大な地図の上でゆっくりと腐敗しつづける残骸、それが領…

8月の読書メーター

8月の読書メーター読んだ本の数:15冊読んだページ数:4908ページナイス数:0ナイス翻訳教室 : はじめの一歩 (ちくまプリマー新書)読了日:08月30日 著者:鴻巣 友季子20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)読了日:08月30日 著者:アーサー・C. クラー…