21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

古典芸能

『桂米朝コレクション4』 「帯久」

焼き払ろうてこまそ、ほんまに(28ページ) 「帯久」ほどリアルな噺はない。東横堀で繁盛する呉服屋を経営していた和泉屋与兵衛のところに、同じ町内の帯屋久七が無心にくる。かれは商売の運転資金を借りにきているだけで、一定の期間をおけば返しに来るのだ…

『桂米朝コレクション2 奇想天外』 「地獄八景亡者戯」

「幽霊のラインダンスに骸骨のストリップやて。……何を見せまんのやろなァ」「じごくばっけいもうじゃのたわむれ」と読む。おどろおどろしい題名だが、閻魔の法廷にたどり着くまでの道中を書いた滑稽譚である。おなじ文庫のシリーズの、このあいだの志ん朝が…

古今亭志ん朝『志ん朝の落語Ⅰ』 「真景累ヶ淵 豊志賀の死」

「へえ。あっしらァね、長年商売(しょうべえ)だからわかるんですよ、ええ。乗ってますよ、肩にきますから、へえ。うーっと、あれ? はあ?…気のせいだ、へえ…。ふうん、乗ってませんね」 いちおう関西人なもので、落語といえば米朝一門なのだが、たまには…