21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2009-10-26から1日間の記事一覧

J.M.クッツェー『鉄の時代』 第1部

冥界(ハデス)、地獄――観念(イデア)の領域なのだ。なぜ、地獄が南極大陸の氷のなかや、火山の噴火口といった場所でなければならなかったのか。なぜ、地獄がアフリカの下端にあってはいけないのか。それになぜ、地獄の生きものが生者のあいだを歩きまわっ…

古今亭志ん朝『志ん朝の落語Ⅰ』 「真景累ヶ淵 豊志賀の死」

「へえ。あっしらァね、長年商売(しょうべえ)だからわかるんですよ、ええ。乗ってますよ、肩にきますから、へえ。うーっと、あれ? はあ?…気のせいだ、へえ…。ふうん、乗ってませんね」 いちおう関西人なもので、落語といえば米朝一門なのだが、たまには…