21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2008-03-23から1日間の記事一覧

山田均『世界の食文化5 タイ』第二章

最近、食文化一般に興味があるのはさておき、ともかく、トムヤンクンとグリーンカレーが好きだ。だから、この本を読んだのだが、校正・考証ともに緻密に考え抜かれた、非常にエキサイティングかつ、刺激的な本である。 まるで吉田修一の小説を読んでいるかの…

3月23日付 新聞書評メモ

【毎日新聞】 ☆小西聖子評 E・S・ヴァレンスタイン『精神疾患は脳の病気か?』(中塚公子訳 みすず書房) 「向精神薬の科学と虚構」というサブタイトルがついている。ミシェル・フーコーの『精神疾患とパーソナリティ』を引くまでもなく、精神疾患はかなら…

J.M.クッツェー『マイケル・K』 第一章

「特徴は、遠景にロビンソン・クルーソーを配しながら、引っかけとしてカフカの作中人物を思わせる「K」という文字を使ったこと、病院の食べ物を食べずに痩せ衰えていく主人公マイケルを「治療」しようとする若い医師を第二章の語り手として登場させたこと…