3月23日付 新聞書評メモ
【毎日新聞】
☆小西聖子評
E・S・ヴァレンスタイン『精神疾患は脳の病気か?』(中塚公子訳 みすず書房)
「向精神薬の科学と虚構」というサブタイトルがついている。ミシェル・フーコーの『精神疾患とパーソナリティ』を引くまでもなく、精神疾患はかならずしも機能的なもののみである、とは言えないが、薬物療法がの重要な治療法である野もまた事実。人間の心と身体を知るために、この分野の歴史を丹念に追ってみるのも悪くはあるまい。
☆編集委員評
鷲田清一、永田朗『てつがくこじんじゅぎょう』(バジリコ)
ひらかなのタイトルが些かあやしくはあるが、上手くできていることを期待して読むのも悪くはあるまい。
☆山内昌之評
ブルース・ローレンス『コーラン 名著誕生5』(池内恵訳 ポプラ社)
【日本経済新聞】
先週毎日に載っていた、『流線型シンドローム』が取り上げられていた。
☆森一夫評
小池和男『海外日本企業の人材形成』(東洋経済新報社)
日本の企業の人事制度のあり方が、海外直接投資においてどのような効果を発揮するか。非常に興味深いテーマを学術的に扱った本であるらしい。素材はまたトヨタなのだが。
☆編集委員評
H・カレール・ダンコース『未完のロシア』(谷口侑訳 藤原書店)
院生時代、英語で出た話題の本をしっかり読むほどまじめな学生ではなかったため、本書は未読だが、たしかに話題になっていた。邦訳が出たのなら、読んでみるべきかも知れない。