21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

18世紀文学

D.デフォー『ロビンソン・クルーソー』 (三)

『ロビンソン・クルーソー』は主人公の名前がタイトルになっている小説である。それは、『Dr.スランプ』なのか、『Dr.スランプ アラレちゃん』なのか、という程度の違いでしかないが、思えばそれは、作家がキャラクターというものを重視したひとつの証拠かも…

D.デフォー『ロビンソン・クルーソー』 (二)

それは、理性が数学の本質であり根源である以上、すべてを理性によって規定し、事物をただひたすら合理的に判断してゆけば、どんな人間でもやがてはあらゆる機械技術の達人になれるということである。それまで私は道具一つ扱ったことのない人間であった。し…

D.デフォー『ロビンソン・クルーソー』 (一)

つまり、お前の身分は中くらいの身分で、いわば下層社会の上の部にいるというわけなのだ。自分の長年の経験によるとこのくらいいい身分はないし、人間の幸福にも一番ぴったりあってもいる。身分のいやしい連中のみじめさや苦しさ、血のにじむような辛酸をな…