21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

11月23日付 新聞書評メモ

毎日新聞
池澤夏樹
水村美苗『日本語が滅びるとき ―英語の世紀の中で』(筑摩書房

 さて、日経新聞には水村氏じしんの随筆が載っていて、末期の母の介護とこの本を書くこと、が同時期であり結びついていたことが書かれていたが、なるほど池澤夏樹の書評のように、くわしく内容を書いたのでは逆に興醒めであったかも知れない。はたしてこの本を読んでみて、エッセイのように「それだけ」の重みのある体験であったのか、それとも梗概を読んだときのような凡庸な論考に過ぎないのか、確かめてみたい。『私小説 from left to right』にはゆさぶられたのだけれど、『本格小説』にはあんなにがっかりしたのだから。