5月25日付 新聞書評メモ
【日本経済新聞】
☆自著評
岩下尚史『見出された恋』(雄山閣)
『荒地の恋』を読み終えた途端、三島由紀夫の若き日の恋愛(ちなみにヘテロセクシャル)を書いた小説の書評が出た。ゲーテやヘミングウェイが登場するクンデラの『不滅』や、クッツェーの『ペテルブルクの文豪』からしばらく経って、20世紀の文学者を主人公とするのが最近のはやりなのかも知れない。
☆円城塔評
キラン・デサイ『喪失の響き』(谷崎由衣訳 早川書房)
ブッカー賞が「英国連邦」に属する国かアイルランドの作家に与えられる章である、うんぬんを書いた書評については、若干異論があるが、インドの現代文学、非常に興味がある。
☆袴田茂樹評
アーチー・ブラウン『ゴルバチョフ・ファクター』(小泉直美、角田安正訳 藤原書店)
【毎日新聞】
☆川口喬一評
ロレンス・ダレル「アレキサンドリア四重奏」(河出書房新社)
20世紀を代表する長編のひとつ、そのうち読まねばなるまい。内藤陳ふうに言えば、「読まずに死ねるか!」