21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2月17日付 新聞書評メモ

日本経済新聞
☆川北稔評
ニーアル・ファーガソン『憎悪の世紀』(仙名紀訳、早川書房
 感情を主題に歴史を語る、というのはいささか無理がある気もするが、もちろん、20世紀ほど感情が表だって(マスコミなどに乗って)伝えられた世紀もないわけで、成功しているとすればきっと面白い本になっていると思う。

佐藤亜紀
イアン・マーキュアン『土曜日』(小山太一訳、新潮社)
 今日の新聞書評の中では、書評自体がいちばんすぐれていた一本。究極の「勝ち組」たる脳外科医が、なんらかの悲惨に出逢うらしいのだが、主人公の経歴を丁寧に書くだけで、作品のプロットにはまったく触れられない。それが、作品に対する興味をよりかきたてる。

関口和一評
ローレンス・レッシグ『CODE VERSION2.0』(山形浩生訳、翔泳社
 ネット社会の規制について書いた本。最近の関心事として。

毎日新聞
丸谷才一
マリオ・バルガス・リョサ『楽園への道』(田村さと子訳、河出書房新社
 暑い国の文学らしいタイトルに心惹かれる。やはり温度というのは人間の精神生活に影響を与えるだろう。ラミレスが夏場になると打ちだすように。

海部宣男
菅野由利『生命科学の冒険』(ちくまプリマー新書

翻訳書ばかりになってしまった。