21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2010-02-01から1日間の記事一覧

村上龍×経済人『カンブリア宮殿1』(2)

今日、なぜかふと思いついたのだが、出版不況はポストモダン批評のせいではないか。物語を純粋に楽しむ気持ちも、作家の生涯に対する下世話な興味も封じられ、書き手としてもがんじがらめにされた結果、コンテンツの魅力が失われてしまったのだ。これを、か…

堀江敏幸『子午線を求めて』 「忘れられた軽騎兵」

主客のはっきりしない関係を語り手に要求するこの女性は、「ケチャップの創始者ロベール・ハインツの曾孫のそのまた孫」だと言い張っていたのだが、遺体の身元を調査していた現地警察とインターポールの手によって、どこにも存在しない身元不明の人物と断定…