21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2010-01-30から1日間の記事一覧

村上龍×経済人『カンブリア宮殿1』(1)

新幹線の駅でなにげなく買った『カンブリア宮殿』の本が、ロシアに持ち帰って読んでみたらすごく面白かったので、何回かに分けて色々書くつもりである。 『グラップラー刃牙』で最高傑作の闘いと言えば、まちがいなく28巻の花山薫VS愚地克巳なのだが、主人…

吉田修一『悪人』

かつてこれほどまでに「人恋しい」小説はなかったと言いたくなるほどの切なさと、希望のない生活のなかでの適度な自己の突き放し。レヴィの本には、表面的な諧謔はあっても「人恋しさ」がない。人恋しさのない孤独は、深いようでいて浅いのだ。(「人恋しさ…