21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2008-11-09から1日間の記事一覧

鹿島茂『オール・アバウト・セックス』

換言すれば、室井佑月の小説はどんなときでも「ほてって」いるのだ。(「売春しない理由」) 言葉は昇華すればするほど堕落する。むかし、「ごっつええ感じ」でダウンタウンの松ちゃんが言っていた表現を借りれば、「フリはきかせればきかせるほど自分が不利…

池波正太郎『散歩のとき何か食べたくなって』

性の蘊蓄にはすぐ鼻をつまんでしまうのだが、わりと食についてはとやかく言われても平気である。これは、『ミスター味っ子』を読んで育ったせいかも知れないし、あるいは、食はバタイユが語っていないからかも知れない。 さて、本気で食欲をそそる池波正太郎…