21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2008-07-05から1日間の記事一覧

A.ベンダー『わがままなやつら』 第十話「アイロン頭」

彼は相手のまばたきの頻度によって、どんな種類の涙が流れているのかを聞き分けることができ、どんなふうになぐさめてあげればいいのかを心得ていたのだ。(「聖歌」) アイロン頭はカボチャ頭の両親には愛されていたが、学校では友達ができず、仲間のアイロ…

四方田犬彦『ハイスクール1968』 第一章

とりあえず次の引用をはやく皆さんに読んでほしくて。これはひとつには、中学校で受けた厳格な音楽教育が影響していた。多田逸郎という音楽教師は日本で有数のリコーダー演奏家であり、授業の始めにはかならず生徒たちを起立させ、「真に偉大な音楽とは」と…