21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

伊坂幸太郎『重力ピエロ』

 帰省している間、携帯で更新していたのですが、カテゴリ分けなどうまく編集できない部分が残ってますね。
 それはさておき、『重力ピエロ』は、宮部みゆきの『クロスファイア』に似たテーマ性を持つ作品と言えるだろう。だが、イマイチ感情移入できないのは、伊坂幸太郎独特の福田康夫文体によるものか。つまり、何を言っても他人事に聞こえてしまう。およそ文学性、ということから考えれば、作者は一歩ひいている方がいいのかも知れないが……しかし、なんでだろうなあ、宮部みゆきはお説教みたいなこと書かれても読めるのに、この文体だけはどうしても好きになれません。

(『重力ピエロ』 新潮文庫