21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

7月20日付 新聞書評メモ

日本経済新聞
郷原信郎
細野祐二『公認会計士VS特捜検察』(日経BP社)
 粉飾会計事件に関わったとされる会計士が書いた本、で、このタイトルとなれば『国家の罠』的なものを想像してしまう。あそこまで、大上段に振りかぶれているだろうか?

富山太佳夫
サッカレー『虚栄の市』(岩波文庫
 この小説が『ジェイン・エア』、『嵐が丘』と同年に発表され、さらにそれはマルクス共産党宣言』と同時代だ、という蘊蓄から、英語辞典を投げ捨てる少女のイメージ(そういえば先週まで、このコーナーではずっと辞書の話をしていた)を鮮明に浮かび上がらせ、小説そのものの挿絵の話に結びつける展開が見事な書評。この目立たない小説をどうしても読みたくなる。

毎日新聞
富山太佳夫
ポーラ・ブラック『ビューティー・サロンの社会学』(鈴木眞理子訳 新曜社
 また同じ人の書評だ。ただこちらはあまりテーマをとらえきれていない気がするが……本そのものは面白そう。