7月20日付 新聞書評メモ
【日本経済新聞】
☆郷原信郎評
細野祐二『公認会計士VS特捜検察』(日経BP社)
粉飾会計事件に関わったとされる会計士が書いた本、で、このタイトルとなれば『国家の罠』的なものを想像してしまう。あそこまで、大上段に振りかぶれているだろうか?
☆富山太佳夫評
サッカレー『虚栄の市』(岩波文庫)
この小説が『ジェイン・エア』、『嵐が丘』と同年に発表され、さらにそれはマルクス『共産党宣言』と同時代だ、という蘊蓄から、英語辞典を投げ捨てる少女のイメージ(そういえば先週まで、このコーナーではずっと辞書の話をしていた)を鮮明に浮かび上がらせ、小説そのものの挿絵の話に結びつける展開が見事な書評。この目立たない小説をどうしても読みたくなる。
【毎日新聞】
☆富山太佳夫評
ポーラ・ブラック『ビューティー・サロンの社会学』(鈴木眞理子訳 新曜社)
また同じ人の書評だ。ただこちらはあまりテーマをとらえきれていない気がするが……本そのものは面白そう。