6月1日付 新聞書評メモ
簡単に自分の生態を鑑みるに、暑くなってくるとウツになる、というのがあるようで、何もする気が起きません。というか自分が何をしているのか分からなくなるので、ブログのタイトルを間違えたまま一週間放置したりするようです。
【毎日新聞】
☆小西聖子評
D・グロスマン、L・W・クリステンセン『戦争の心理学』(安原和見訳 二見書房)
戦時において人が人を殺せるようにするためのノウハウを書いた本らしい。マインドコントロールの一種だが、高級羽毛ぶとんを買わせるような取り返しのつく話ではなく、人を殺す話だけにタチが悪い。戦場においても8割以上の兵士が発砲すらできない、という話が出てくるが、逆に20%もマインドコントロールなしに発砲できてしまうことが、よく考えればとんでもない。私ならすべからく強烈にマインドコントロールして欲しい。
☆藤森照信評
池内了『疑似科学入門』(岩波新書)
スピリチュアル系、あやしい健康食品系、複雑系と三種の疑似科学についての本。マイナスイオン、狂牛病、環境ホルモン、とこれだけ並べられると、世の中は科学ではなく疑似科学で動いているような気になる。この本はぜひ読もう。
☆伊東光晴評
本山美彦『金融権力――グローバル経済とリスク・ビジネス』(岩波新書)
投資銀行と格付け会社についての本、だと思う。これらを権力といわれると、なるほどそれらが世界を牛耳っているようにも思う。
【日本経済新聞】
☆伊奈久喜評
高橋哲哉・山影進『人間の安全保障』(東京大学出版会)
☆書評委員評
山田登世子『シャネル―最強ブランドの秘密』(朝日新書)
今週は新書ばかりでした。