4月6日付 新聞書評メモ
今週は日経に、『バートルビーと仲間たち』、毎日に『土曜日』と『転生夢現』が出た。しかも早く出た(すでにこの欄に書いた)方の書評の方が優れており、散々な状況だったと言える。
☆山崎正和評
喜志哲雄『シェイクスピアのたくらみ』(岩波新書)
一口に言えば、「この世は劇場である」という「世界劇場」の発想をもとにシェイクスピア作品を読み直す、という新書。書店で見かけて読むか読むまいか迷っていたが、クリアに内容を書いて、背中を押してくれる名書評。
【日本経済新聞】
☆桜井哲夫評
ジャン・ボードリヤール『悪の知性』(NTT出版)
グローバリズムによって「切り捨てられた端数」が集合し、権力による統御を崩壊させる、という物語か。この書評だけでは、どんな本か分かりづらいが、読んでみる価値はあるかも知れない。