21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

鹿島茂『フランス歳時記』

 フランスを知るために、ということで読みはじめた一冊。月ごとの章立て、その中で、季節に関するエッセイ+各月にまつわる守護聖人の紹介+各月にまつわる有名人の紹介、とメジロオシの内容。しかし、自分でもただの無害な変態と認識していたサドが、死刑判決を受けてから、過激な革命者に変貌した、というふうな独特の辛辣な響きはあるものの、とくに読後何も残らないのがかなしい一冊。まあ、充分フランス気分にひたることはできるか。

(『フランス歳時記 生活風景12カ月』 中公新書