21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

ロッキンオン編集『rockin'on BEST DISC500 1963-2007』 第三章

 このブログも含め、批評というものは悪意とは無縁ではありえない。たいていは実作者でないひとが、実作者の才能と成功を羨望し、嫉妬し、その作品をばらばらにしたり、誹謗中傷したり、晒しものにしたりしながら、抑え切れないルサンチマンを吐露することが批評行為と密接に結びついているからだ。だから、うまく悪意を飼いならして、悪意を一種の「芸」にまで昇華しないと批評は面白くない。そんなわけで、このディスク・ガイドの年表、1980年台編にある悪意は非常におもしろい。

「トピック」
80年
●ボン・スコット他界(2月19日、泥酔後吐瀉物により窒息。享年33歳)
イアン・カーティス他界(5月18日、自殺。享年23歳)
ジョン・ボーナム他界(9月25日、泥酔後吐瀉物により窒息。享年32歳)
ジョン・レノン他界(12月8日、狂信的ファン、マーク・チャップマンに銃で撃たれる。享年40歳)

以下、84年までトピックは延々死んだ話が続く(ボブ・マーリィ、カレン・カーペンター、マーヴィン・ゲイ)。ロックが時代を反映した時代が終わったと言うことなのかも知れない。しかしなによりも、ジョン・レノン暗殺の前に、これだけ寝ゲロを並べる、というところに屈折した愛情を感じざるを得ない。