21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2015-06-14から1日間の記事一覧

K.イシグロ『忘れられた巨人』第十五〜十七章

来るなら来い。来るがよい。お忘れか、アクセル殿。わしはあの日、貴殿と会っておる。貴殿は耳に残る子供や赤子の泣き声のことを語った。わしもそれを聞いたよ、アクセル殿。だが、あれは命を救う医師の天幕に上がる叫びと同じたぐいのものではないのか。治…