21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2015-01-11から1日間の記事一覧

小林秀雄『モオツァルト・無常という事』 「無常という事」

嘗て、古代の土器類を夢中になって集めていた頃、私を屢々見舞って、土器の曲線の如く心から離れ難かった想いは、文字という至便な表現手段を知らずに、いかに長い間人間は人間であったか、優美や繊細の無言の表現を続けて来たか、という事であった。文字の…