21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2012-03-14から1日間の記事一覧

飴村行『粘膜戦士』 「柘榴」

不意に西側の庭で物音がした。靴底が地面を蹴るような音だった。昭の心臓が大きく鳴った。何者かがこの音を発しているのかもしれなかった。昭はベッドから下りると昇降式の窓に駆け寄りカーテンを引き開けた。外は月夜だった。青白い満月が夜空に浮かんでい…