21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2010-10-31から1日間の記事一覧

佐藤亜紀『ミノタウロス』

人間の尊厳なぞ糞食らえだ。ぼくたちはみんな、別々の工場で同型の金型から鋳抜かれた部品のように作られる。大きさも。重さも、強度も、役割もみんな一緒だ。だからすり減れば幾らでも取り換えが利く。彼の代わりにぼくがいても、ぼくの代わりに彼がいても…