21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2010-09-11から1日間の記事一覧

伊藤計劃『虐殺器官』 第一部4

ぼくには、ことばが単なるコミュニケーションのツールには見えなかった。見えなかった、というのは、ぼくはことばを、リアルな手触りをもつ実態ある存在として感じていたからだ。ぼくにはことばが、人と人とのあいだに漂う関係性の網ではなく、人を規定し、…