21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2008-03-20から1日間の記事一覧

古井由吉『白暗淵』 第十一話「潮の変わり目」

どこぞで続いていた工事の鳴りをひそめた際でも、表の通りの車の往来がまれに途切れる隙(ひま)でも、音の変わり目の内に悟りの境はあり、したがって人はいつどこででも悟れそうなものの、そなわるのは悟りの下地ばかりで、中身はたいてい空白のままに留ま…