21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2008-03-19から1日間の記事一覧

古井由吉『白暗淵』 第九話「餓鬼の道」

ある夜の寝覚めには、わなわなと両手を伸べる子供の姿が見えて、間違いなく幼い自分の、あたり一帯の焼き払われた夜の城見かける頃に道端に坐りこんでいると行きずりの避難者の女性から恵まれた、握り飯を受け取る姿にほかならず、ああして手を差し出してい…