21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

2008-03-15から1日間の記事一覧

古井由吉『白暗淵』 第一話「朝の男」

街は躁がしいようで実は無音の境に入りつつあるのではないか(「地に伏す女」) 期待して読みはじめた古井由吉の連作短篇の、ひとつのテーマは「音」、あるいは「無音」であるようだ。世界は乱雑な音に満ち溢れているようであっても、その実沈黙している。そ…