21世紀文学研究所

1サラリーマンの読書日記です。

ミステリをたくさん読む(20年2月)

 世は新型コロナウィルスによるパンデミック。私の会社も在宅勤務推奨となった。昔なら気にしなかったが、子を持つ親となって感染には人一倍気を遣う。

 外に出ないので、本だけは読めている。ロシア文学の読み直しも始めたが、ミステリについては五冊。昭和ハードボイルドフェア開催中。

 

泡坂妻夫『乱れからくり』(角川文庫)★★★★★

柚月裕子孤狼の血』(角川文庫)★★★★☆

香納諒一『幻の女』(角川文庫)★★★★

アガサ・クリスティー『ポケットにライ麦を』(宇野利泰訳、クリスティー文庫)★★★★

北方謙三『弔鐘はるかなり』(集英社文庫)★★☆

 

 『乱れからくり』は衒学的なからくり細工の薀蓄と、擬似ハードボイルド的な主人公が合間って好きなタイプの作品。平成末期の作品なのに、昭和63年の広島で「県警対組織暴力」を再現するという、擬似昭和ハードボイルドな『孤狼の血』は雰囲気だけで満点、だけれどもアル・パチーノの顔がチラついて0.5点減点。『幻の女』は捜査のリアルさだけ取れば満点なのだが、昔の不倫相手の過去を追う、という甘ったるい感じが好きになりきれなかったのと、あとどうにも長いので。

 ミス・マープルの有名作品も良かったのだが、登場人物の行動に腑に落ちない部分があるのが、このシリーズらしくないかも。北方謙三のデヴュー作は暴力シーンが多すぎて疲れた。

 

(星5)『不夜城長いお別れ』『さらば愛しき女よ』『錆びた滑車』『OUT』『マルタの鷹』『高い窓』『満願』『鏡は横にひび割れて』『屍人荘の殺人』『おかしなことを聞くね』『乱れからくり』『静かな炎天』『ゼロ時間へ』『杉の柩』『百舌の叫ぶ夜』『カーテン』『春にして君を離れ』『涙香迷宮』『私が殺した少女』(星4.5)『リトル・シスター』『五匹の子豚』『ブラック・ダリア』『さらば長き眠り』『さよならの手口』『ブラウン神父の童心』『悪いうさぎ』孤狼の血『斜め屋敷の犯罪』『りら荘事件』『ノックス・マシン』『オーダーメイド殺人クラブ』『さむけ』(星4)『僧正殺人事件』『獄門島』『戦場のコックたち』『ミレニアム1』『依頼人は死んだ』『神様ゲーム』『スタイルズ荘の怪事件』『なめくじに聞いてみろ』『殺戮にいたる病』『新宿鮫Ⅹ 絆回廊』『白い雌ライオン』『赤い収穫』『ビッグ・ノーウェア』『刑事マルティン・ペック 笑う警官』『プレゼント』『アリス殺し』『天使のナイフ』『折れた竜骨』『幻の女』(香納)バッド・カンパニー』『マネーロンダリング』『鍵のない夢を見る』『ポケットにライ麦を』果てしなき渇き』『ボーン・コレクター』『生ける屍の死』『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』『檻』『古書店アゼリアの死体』『ビブリア古書店の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち』(星3.5)『十角館の殺人』『不穏な眠り』『緑衣の女』『占星術殺人事件』『ローズガーデン』『Aではない君と』『愚か者死すべし』『11/22/63』『笑う男』『プレイバック』『教場2』『その可能性はすでに考えた』『クビキリサイクル』『LAコンフィデンシャル』『首無しの如き祟るもの』『生首に聞いてみろ』『メーラーデーモンの戦慄』(星3)『秋季限定栗きんとん事件』『四日間の奇蹟』『人間の顔は食べづらい』『八月の降霊会』『暗幕のゲルニカ』(星2.5)『ミレニアム2』『弔鐘はるかなり』『真実の10メートル手前』『ヴィラ・マグノリアの殺人』(星1)『一千兆円の身代金』